導入事例

Oracle ERP Cloud
海外ロールアウト事例

Oracle ERP Cloud 海外ロールアウト事例

積極的に海外展開を行うA社様では、M&Aにより急増した海外子会社との連結決算を効率化し、内部統制を強化するために、Oracle ERP Cloud の導入を決めました。当コラムでは海外子会社60社に対して、迅速に海外ロールアウトを展開する方法について解説いたします。

グローバル統合会計システムの構築が急務となる

技術者派遣で海外展開を行うA社様ではM&Aにより、この5年間で海外子会社が60社と急増しました。その結果、連結決算の効率化、内部統制の強化が課題となり、グローバルレベルで統合できる会計システムの構築が急務となっています。

連結決算の効率化にあたっては、以下の作業効率化を目指します。

  • •海外子会社から送付された会計データの集計を効率化
  • •グループ内取引仕訳の照合による内部取引消去の効率化


内部統制の強化にあたっては、以下の仕組みの構築を目指します。

  • •海外子会社に対する不適切な会計処理を監視する仕組み
  • •海外子会社に問い合わせることなく、日本本社で現地経理のチェックができる仕組み

Oracle ERP Cloudで課題を解決

システム導入以前は、海外子会社60社の経理資料がExcelや紙帳票で日本本社に一斉に送付されていました。そのため集計作業に手間がかかり、また間違いも起こしやすく、決算の遅延が常態化していました。さらに送付されたデータに不備があった場合、その都度現地に問合せを行う必要があり、時差の影響により回答に2,3日かかることもありました。

これらを解決するために、Oracle FAH(Oracle Financials Accounting Hub)を導入することで、海外子会社からの会計データの取り込みを自動化できるようになりました。特に現地基準による勘定科目や仕訳データを日本基準に自動変換できるため、会計データの取り込み時に変換間違いが発生しなくなりました。その結果、集計作業が自動化され変換間違いもなく、決算早期化に寄与しています。

内部取引の消去については、Oracle ERP Cloud のGLモジュールに実装されているAFF(Accounting Flex Field)上に相手先の取引先コードを付与することにより、グループ内の売上仕訳と仕入仕訳の自動照合ができるようになりました。その結果、内部取引の消去が効率化され、決算早期化に寄与しています。

また、もう一つの課題であった海外子会社の不適切会計の監視については、Oracle ERP Cloud のGLモジュールに実装されているSOX法に準拠したログファイルの生成機能が役立っています。具体的には、ログファイルや仕訳データを総勘定元帳から抜き出して、監査法人から提供されている不正会計防止ツールに取り込むことで、きめ細かな監視ができるようになりました。買収前に十分なデューデリジェンスを行っているとはいえ、様々な事情を抱えた買収子会社の不正会計の検知を前もって行うことで、グループガバナンスの強化、子会社管理の高度化が可能となっています。

複数会計帳簿と自動組替えによる決算処理

月次締め時に海外子会社の現地会計システムからCSV形式で出力した仕訳データを、Oracle ERP Cloud上の現地基準用の会計帳簿と日本基準用の会計帳簿にそれぞれ転記します。なお日本基準用の会計帳簿には、仕訳データ取り込み時にOracle FAH上で現地基準から日本基準に組替えしてから転記します。

そのため日本本社では、海外子会社の総勘定元帳、残高試算表や財務諸表を日本の会計基準で出力することが可能です。また、現地の経理処理を正しく締めるために、現地基準用の勘定科目で総勘定元帳、残高試算表や財務諸表を出力することも可能です。

買収したばかりの海外子会社に新システムの利用を強制しても、現地の会計処理の担当者が使いこなすには時間がかかります。そのため、現地の日々の会計処理は各海外子会社で慣れ親しんだ自社の会計システムを継続して利用してもらうことが良いと判断しました。よって、現地の会計システムは残すこととし、現地の締め処理の精度を高めるとともに日本本社で迅速に連結決算ができるようにOracle ERP Cloud を活用しています。

パイロット導入とテンプレートによるロールアウト

システム導入に関しては、まず海外子会社1社に対して6カ月間でパイロット導入を行いました。この時にシステム導入のノウハウを当社イデア・コンサルティングとA社様の情報システム部門が共有し、導入に必要なアセットをテンプレート化しました。そのテンプレートを横展開することにより、まとめて6~7社を4カ月間でシステム導入する方法で、順次ロールアウトを行っています。

この方法により現在50社の導入を既に完了しましたが、導入期間中もM&Aにより海外子会社が増えているため、導入プロジェクトはA社様主導のもとで実施中です。但し、導入作業は効率性の観点から日本本社ではなく英国子会社が担当しています。また英国子会社では、全海外子会社の運用保守も担当しています。日本本社は経理業務のルール策定・見直しのみを担当しています。

当社イデア・コンサルティングでは、経理業務の調整を日本本社で、システム導入を英子国子会社で各々ご支援させていただき、お客様主導でグローバル展開ができるように、プロジェクトの共通言語である英語を使用して、日々アドバイスをさせていただいています。

Oracle ERP Cloud選定の決め手

A社様ではM&Aにより増え続ける海外子会社に対して、柔軟にシステム導入ができる会計パッケージを探していました。例えば、システム導入中に買収子会社同士が合併する場合や、買収以前の業績と買収後の業績を容易に比較できる会計パッケージを求めていました。

また、多言語、多通貨対応、各国ローカルの会計制度に対応ができるグローバルな発想のパッケージであることも必須条件であったため、海外製のERP(統合業務パッケージ)の中から選択することとなり、迅速な立ち上げと柔軟性に富んだクラウドERPの中から、Oracle ERP Cloud が選択されました。

当社イデア・コンサルティングでは、Oracle ERP Cloud の豊富な導入実績をもとに海外ロールアウトの経験を有するコンサルタントが、迅速なプロジェクトの立ち上げと短期間でのシステム導入のご支援をさせていただいています。

お問い合わせ先:サービス/商品に関するお問い合わせ

関連事例